東京から近く気軽にアクセスしやすい温泉地、「熱海」と「箱根」のどちらに訪れるか悩みませんか?どちらも特徴があり、雰囲気や宿泊施設の価格帯が異なります。
今回は、熱海と箱根を比較して、どちらがどのような目的の旅行に適しているのか検証した後に、おすすめのホテル・旅館を紹介します。
結果だけ知りたい方は結果発表を、おすすめのホテルは熱海のホテル・箱根のホテルをクリックしてください。
なお、どちらが良いかは、あくまで筆者の個人的意見であることをご了承ください。
湧出量と源泉数
温泉地として、源泉の湧出量と種類を比較します。
熱海
熱海温泉は、湧出量毎分16,564リットル、平均温度63度、源泉数は542(休止・埋没含む)と、とても豊富な温泉が出ています。無色透明で、ナトリウム・カルシウム 塩化物温泉が多いです。平均でPH8と弱アルカリ性なので、肌への刺激を感じずに、お子さんも安心して入れます。(出所「熱海の温泉」熱海温泉組合報別冊)
箱根
箱根温泉は、全国5位の湧出量で毎分19,500リットル、源泉数は345で、宿泊者数・宿泊施設数・宿泊施設定員数が全国で1位の日本を代表する温泉観光地です。
源泉の種類は多様で、アルカリ性単純温泉、ナトリウム 塩化物温泉、カルシウム 硫酸温泉などを含む約20種類があるというから驚きです。
平均のPHを示すデータはありませんが、多くの温泉ではPH9程度のアルカリ性の温泉を引いている施設が多い印象です。
どちらも湧出量・源泉が豊富ですが、宿泊するホテルがどのような源泉を引いているかチェックしたほうが良さそうです。お子さんや肌が気になる方は、弱アルカリ性の温泉を選んだ方が安心です。
宿泊の目的(高級宿、グループ旅行、家族旅行)
熱海、箱根ではどのような目的・利用が多いのかデータとともにご紹介します。熱海と箱根では少し違った傾向が見られます。
熱海
熱海はお忍びで温泉を楽しみたいカップルから、熱海サンビーチでアクティブに遊びたい家族・友達グループでの旅行まで、多様な目的を叶えてくれる温泉地です。
ひっそりとした歴史ある高級旅館がある一方で、大型のホテルも多くあります。価格帯にも幅があり、特別な日のための高級宿からグループでの手軽な旅行に使えるホテルまで、選択肢が多いです。
令和3年度末のデータでは、熱海にはホテル・旅館が151軒、寮・保養所が150軒あります(出所:令和4年版「熱海市の観光」)。バブル崩壊後、一度は寂しくなった熱海ですが、現在は趣向を凝らした新しいホテルが誕生しており、活気のある温泉地となっています。
なお、バブル期に社員旅行の目的地や会社の保養所として熱海が選ばれていたこともあり、寮・保養所の数がホテル・旅館と同数程度あり、減少傾向ではありますが、そのような目的での利用も多くみられます。
箱根
箱根は大型のホテルがたくさんあるわけではなく、どちらかというと中小規模の旅館が多くあります。
「じゃらん宿泊旅行調査2023」によると、旅行の理由として「魅力的な宿泊施設が多かった」で神奈川県は9位となっています。前回調査より順位を落としてはいるものの、箱根を旅行する主な目的として、「素敵な宿に宿泊することが旅の主な目的」となっているケースが多いことが考えられます。
箱根は、高級な宿も多く、温泉・料理で癒されながら高級宿で非日常を感じたいというニーズも満たせるのではないでしょうか。
また、観光庁が公表している「旅行・観光産業の経済効果に関する調査研究」(2020年)では、1人1回あたりの宿泊旅行の平均単価は、48,365円と結果が出ています。都内からの交通費があまりかからない箱根では、交通費が浮いた分少し高級な宿も予算の範囲内となりそうです。
「じゃらん人気温泉地ランキング2024」では、「もう一度行ってみたい温泉地ランキング」で2位となっており、箱根はリピーターの多さも伺えます。
どちらの観光地も多様なタイプの宿がありますが、箱根の方がこじんまりとした高級宿が多くあり、グループ旅行や子供とアクティブに遊びたいという方は熱海の方が宿泊先の選択肢が多いかもしれません。
観光地
どちらも充実した観光スポットがありますが、その種類は異なります。
熱海
熱海海上花火大会
熱海の海は海水浴だけでなく、熱海海上花火大会も開催されています。この花火大会は夏季だけでなく、1年を通して開催されています。
なお、熱海海上花火大会は東京からの日帰りバスツアーもあります。
熱海城
天守閣の展望台は、熱海市街を一望できるだけでなく、天気が良ければ、初島・大島まで眺望が可能です。この景色だけでも十分楽しめますが、ジェットバスタイプの足湯もあり、景色を楽しみながら足の疲れも癒せます。
また、熱海城の隣には、熱海トリックアート迷宮館があり、目の錯覚を利用して立体に見えるアートがあり、写真を撮って楽しめます。子供だけでなく、大人も楽しめる施設です。
他にも、約3500点を所蔵するMOA美術館、パワースポットの來宮神社(来宮神社)、伊豆山神社など、観光スポットはたくさんあります。
箱根
箱根彫刻の森美術館
屋外美術館でいろんな芸術作品を体感できる美術館です。触ったり、中に入って見学できる体験型の作品が多い一方で、ピカソ館では300点を超える作品を所蔵しています。また、屋外には足湯もあり、休憩しながら楽しめる美術館です。
ポーラ美術館
ポーラ美術館は、モネ・ルノワールなどの印象派を多くコレクションしており、ファンも多い美術館です。都心の美術館にはない、ゆったりとした空間で名作を鑑賞できます。また、レストランでは企画展に合わせたメニューがあるのも楽しいです。
他にも、箱根には、箱根ガラスの森美術館や箱根美術館といった美術館は見応えがあります。また、大涌谷で温泉の強い匂いとともに湧く様子を見て、黒玉子を食べるのも箱根ならではの思い出となります。
熱海・箱根はどちらも観光スポットが多く、どこに立ち寄るか悩むところですが、美術館などの展示を楽しみたい場合は、箱根の方が選択肢が多く、海や花火を楽しみたい場合は熱海を選ぶと良さそうです。
日帰り温泉
日帰り入浴が可能な施設についても、日帰り入浴の施設、日帰り入浴が可能なホテルなど、いくつかの種類があると思いますが、こちらについても熱海と箱根で違いが見られました。
熱海
熱海のおすすめ日帰り温泉施設は、オーシャンスパFuua(フーア)です。2019年にオープンした施設で、温泉だけでなく、岩盤浴、レストラン、お土産処もあり、1日フルで楽しむことができます。
また、熱海では日帰り入浴が可能なホテル・旅館が多くあります。その中から、ホテルミクラスと大月ホテルは以下のページで紹介しています。日帰り入浴+ランチのプランなどがあり、日帰りでも充実した温泉旅行が楽しめました。
Fuuaもミクラスも、オーシャンビューの露天風呂があり、温泉の水面が海と繋がって見えるインフィニティ仕様なのが美しいです。
箱根
箱根は日帰り入浴施設が充実しています。箱根湯寮、日帰り温泉湯の里おかだ、天成園は館内施設も充実しています。小涌園ユネッサンのような水着でも楽しめる温泉テーマパークもある一方で、高級な宿の温泉とエステの日帰りプランもあるので、いろんな用途に合わせて選べそう。
熱海も箱根も、どちらも温泉で疲れを取りたいとい目的で訪れるための日帰り温泉はありますが、箱根には更に多くの日帰り温泉があるとともに、小涌園ユネッサンのような水着を来て楽しめる施設もあります。
食事(ランチ)
ここでは、宿での食事ではなく、街中でいただけるランチで比較します。
熱海
熱海のグルメといえば、伊豆近郊の新鮮なお魚で作るお刺身や干物が有名です。
今回は、熱海駅から徒歩2分にある囲炉茶屋をご紹介します。写真は3種の干物定食に鯵のたたきがついたセットです。生シラスもついていて、とても贅沢です。他にも金目鯛の煮付けやマグロのお刺身なども美味しくて人気です。
箱根
箱根のグルメでおすすめしたいのは、駅から徒歩3分にある直吉の湯葉丼です。箱根山からの湧水を使って作られた湯葉を椎茸やネギとともに、出汁で煮込んだ湯葉丼が有名です。
写真の湯葉丼は1100円ですが、他にも湯葉丼+湯葉刺し+姫豆腐のセットが1700円、湯葉丼御膳は2300円です。サラッと食べられる湯葉丼はリピーターも多く、箱根に来たら必ず訪れるという方も。
特に、温泉旅館では夕食が会席料理でボリュームが多いこともあるので、ランチを軽く済ませたい場合にもおすすめです。
結果発表!熱海・箱根どっちがいいの?
結果として、旅の目的でどちらが良いかが異なりますが、以下のようにまとめることができます。
熱海が向いている方はこんなタイプ
- 友達や子供たちと海水浴・花火・トリックアートなど、アクティブな旅行がしたい
- 商店街での食べ歩きや足湯など、街歩きを楽しみたい
- 海が見える温泉が好き
箱根が向いている方はこんなタイプ
- いろんな温泉を楽しみたい
- カップル・夫婦の記念日を高級宿で祝いたい
- 子供と遊ぶのは、海より温泉テーマパークが良い
- 山の見える温泉が好き
熱海・箱根のおすすめのホテル・温泉宿
カップル・夫婦での特別な日の旅行、家族旅行、3世代旅行までいろんな目的にあったホテル・旅館をご紹介します。
熱海
古屋旅館
ふふ熱海
熱海倶楽部 迎賓館
ホテル ミクラス
箱根
箱根藍瑠
箱根湯本温泉 天成園
箱根吟遊
最も予約が取れない旅館としても有名な箱根宮下にある旅館。広々とした客室の源泉掛け流し露天風呂からの箱根連山の眺望が美しい。オリジナルの会席料理は味も見た目も大満足。リピーターが多いのも納得の充実したサービスと非日常感を味わえます。
なお、近畿日本ツーリストが最も多く空室が表示されるようです。空き状況は近畿日本ツーリストから確認するのがおすすめです。
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東京からのアクセス
最後に、東京からのアクセスについて紹介します。
熱海
東京から熱海へのアクセスは、JR東京駅より新幹線こだまで約45分(約4300円)でJR熱海駅に到着です。交通費を抑えたい方は、JR東海道本線で約1時間45分(約2000円)を利用することもできます。乗り換えは不要で、アクセスは簡単です。他にも、JR新宿駅やJR池袋駅から向かう場合は、特急踊り子号で約1時間30分でアクセス可能です。
箱根
東京から最も近い観光地である箱根へのアクセスは、小田急新宿駅からロマンスカーで約1時間15分(約2300円)で箱根湯本駅に到着します。ロマンスカーの前後には展望席もあり、普段見れない景色も楽しめます。なお、予算を抑える場合は、新宿駅から小田原駅まで小田急線の特別快速を使い、小田原駅から箱根湯本駅まで箱根登山鉄道を使うと、約1時間40分(約1840円)でアクセス可能です。
車で行く場合は、道路状況にもよりますが1時間30分程度でアクセスも可能。
どちらも都内からのアクセスは便利です。熱海は新幹線を使うと45分という短時間でアクセス可能ですが、ロマンスカーの展望席を楽しめる箱根も魅力的です。
長くなりましたが、熱海・箱根、どちらが良いかについては、それぞれ目的によるところですが、どちらもアクセスしやすい温泉観光地なので、気に入った宿を見つけて訪れてみてください。
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