大分空港からのアクセスもしやすい温泉地、湯布院と別府は、羽田空港からのフライトも多く、週末や3連休のみで訪れることが可能なエリアです。
ここでは湯布院と別府の特徴・違いについてまとめるとともに、筆者の体験より湯布院と別府のどちらがリフレッシュできる旅行になるか紹介します。湯布院・別府のどちらに旅行をするか悩んでいる方、どちらがどのような旅行に向いているか知りたい方は、是非、最後までご覧ください。
なお、長い記事ですので、どちらの温泉が自分に向いているか結果を知りたい方は結果発表へ、おすすめの旅館・ホテルを知りたい方は別府のホテル旅館・湯布院のホテル旅館をクリックしてご覧ください。
温泉の比較
別府・湯布院のある大分県は源泉数5,090、総湧出量295,708L(毎分)と日本で最も温泉が豊富な県です(出所:環境省「令和4年度温泉利用状況」)。それでは、湯布院・別府の温泉の湧出量・源泉数等について比較します。
湧出量 | 源泉数 | |
---|---|---|
別府温泉郷 | 毎分83,058L (全国1位) | 2,217 (全国1位) |
由布院 | 毎分44,486L (全国2位) | 879 (全国2位) |
別府は源泉数・湧出量ともに日本で1位を誇っています。より温泉が豊富なのは別府と言えますが、由布院も全国2位で十分な湧出量があり、フレッシュな掛け流しの温泉を楽しめます。次に、別府・由布院で立ち寄りたい日帰り温泉をご紹介します。
なお、「じゃらん人気温泉地ランキング2024」のもう一度行きたい温泉ランキングで別府温泉郷7位、由布院温泉10位を取得しており、その人気の高さが伺えます。
別府 竹瓦温泉
別府駅前から徒歩約10分に「竹瓦温泉」があります。竹瓦温泉は別府市元町にある市営の共同温泉で、1879年創業の歴史ある温泉です。建物の中もリノベーションなどはされていないので、タイムスリップしたかのような雰囲気を感じます。
竹瓦温泉のおすすめポイントは、「砂湯」です。
砂湯は専用の浴衣に着替え、砂の上に横になり、「砂かけお姉様」が温泉で暖められた砂を全身にかけ、砂に埋めてくれるというものです。砂湯で有名なのは鹿児島県の指宿ですが、別府でも砂湯を楽しめます。
指宿温泉と竹瓦温泉の違いとして感じたことは、
指宿温泉は、屋外の砂湯+記念撮影サービスなど観光客向けの要素が強く、竹瓦温泉は、室内での砂湯であり、観光客サービスというより歴史を感じたい温泉好き向けの要素が強いように思います。
話を竹瓦温泉に戻しますが、専用の浴衣に着替え、お姉様に砂をかけていただきます。まず、砂はじんわりと地熱で暖められており、熱が全然冷めません。この砂で体が芯まで温まるとともに、砂の重さが心地よいです。少し重たい布団をかけた方がよく眠れると聞いたことがありますが、まさにその通り。暖かさと砂の重さで少し眠くなりました。
砂湯の時間は15分。じっと砂に埋まっているだけですが、体は温まりどんどん汗もかいてきます。途中で熱過ぎたら、自分で砂を払って出てしまってOKですが、私は15分間楽しみました。
砂湯を終えると、まず顔の毛穴の汚れがすっと落ちて肌がスベスベになったことを実感しました。そして血の巡りが良くなったのか、足がとても軽い!砂湯の後は、砂を流し温泉に浸かります。
サウナのような暑さ・息苦しさが苦手な方でも、砂湯では顔や頭は砂の外に出ていて熱くないので、挑戦しやすいと思います。
なお、ロングヘアの方は砂が髪の毛に絡まないように、髪の毛をしっかりと結んでおくことをおすすめします。(私は頭皮まで砂が入ってその後のシャンプーが大変でした。)
湯布院 150畳の広さ夢想園
湯布院では、別府の竹瓦温泉のように歴史的な建造物の公衆浴場は無いようです。しかし、湯布院には公衆浴場や日帰り温泉、日帰り利用が可能なホテルがあります。
その中でご紹介したいのは「湯布院 山のホテル夢想園」です。こちらはホテルですが、温泉は予約無しで日帰り利用が可能です。由布岳を望める露天風呂は150畳と広大で、自然の多い湯布院ならではの温泉を楽しめます。また、4つある貸切風呂は追加料金不要で使えるのも嬉しいポイントです。家族・カップルでどうぞ。
湧出量・源泉数では、全国1位である別府の勝ち!
別府竹瓦温泉の歴史ある建物・砂湯が私のおすすめスポットです。湯布院温泉では、ホテルの日帰り利用で広大な自然を見ながら150畳ある夢想園の露天風呂を楽しむのがおすすめです。
観光
別府 地獄巡り
別府の観光といえば「地獄めぐり」が有名です。「海地獄」「鬼石坊主地獄」「山地獄」など8つの地獄があります。
その8つある地獄の中で私がおすすめしたいのは、国の名勝である「海地獄」です。(他に、血の池地獄、龍巻地獄、白池地獄が国指定の名勝です。)海地獄は、1200年ほど前に鶴見岳の爆発によって誕生したのだそう。海地獄という名称ですが、コバルトブルーでとても美しく「地獄」という名前とはマッチしていないような・・・?ですが、見た目の美しさに反して、98°Cと高温で硫黄臭のある湯気が上がってくる様が「地獄」なのです。
地獄巡りをするには、海地獄からスタートすると効率的に巡れておすすめです。
ちなみに、海地獄には足湯やお土産ショップ・カフェテリアもあります。地獄蒸し焼きプリンや温泉卵は、疲れた体に栄養補給できる私のお気に入りです。
また、海地獄に訪れるのであれば、海地獄のすぐそばにある「鬼石坊主地獄」も合わせて訪れてはいかがでしょうか。鬼石坊地獄では、灰色の熱泥が吹き上げており、海地獄とは全く違う様子が見られます。こちらの方が海地獄より「地獄」の風貌をしています。
また、鬼石坊地獄の隣にある「山地獄」では、山のいたる所から水蒸気が吹き上げており、その熱を利用したミニ動物園があります。
フラミンゴ、ニホンザル、アフリカゾウ、インドクジャクなどの動物が飼育されています。動物好きな方、お子さんがいらっしゃる方には楽しめる「地獄」だと思います。(楽しめる地獄って語弊がありますが。)
湯布院 金鱗湖・辻馬車
次に、湯布院で有名な観光スポットは、由布院駅から徒歩30分程の場所にある金鱗湖です。
金鱗湖は湖底の一部から温泉と清水が湧き出る湖で、気温の低い秋から冬の早朝にかけて、温泉を含んだ湖の水分が蒸発した朝霧が見られます。私はお昼頃に訪れたので、朝霧は見えませんでしたが、山の緑が水面に反射してとても綺麗でした。
また、湯布院はお洒落なお土産屋さんやカフェが沢山あり、街歩きも楽しいです。私のおすすめはスイーツの食べ歩きです。湯布院のスイーツで私のおすすめはTelatoの濃さが選べる抹茶ジェラートやミルヒのプリン(ページ最後でご紹介します。)です。
他にも、湯布院観光でおすすめしたいのが辻馬車です。辻馬車は約1時間で由布院駅をスタートして、佛山寺や宇奈岐日女神社を周って由布院駅に戻る1周4Kmのコースです。
ゆっくりと進む辻馬車で、運転手の方が湯布院の歴史や街案内をしてくれます。
由布岳が広がる景色の中で、辻馬車のカランと響く蹄の音が心地良く、湯布院ならではの観光体験だったと思います。
なお、辻馬車は午前9時から30分ごとに1日15便の運行です。由布院駅隣のインフォメーションセンターでチケットを購入できます。
別府の地獄めぐりも湯布院の街歩きもどちらも大満足の観光となりました。
移動距離があっても大丈夫なら別府で地獄めぐりを楽しむのが良し、忙しい日常から離れてゆっくりしたい場合は湯布院の辻馬車で非日常を感るのが良し!
食事(レストラン)
ホテルや旅館ではなく、レストランでのランチ・ディナーをご紹介します。
別府 地獄蒸しイタリアン
別府駅からタクシーで15分の場所にあるOtto e Sette Oita(オット・エ・セッテ大分)は、九州の食材を使ったイタリアンレストランです。お料理はコースで、地獄蒸しをいただくことができます。イタリアンと地獄蒸しのコラボが味わえて、旅の特別な思い出になります。
また、湯治屋を改装した建物は趣があって素敵ですし、個室もありますのでカップルの特別な食事から家族での食事会にも使えます。しっかりしたコースなのにリーズナブルでランチにもディナーもおすすめです。(要予約)
湯布院 由布まぶし
湯布院で私のおすすめは「由布まぶし 心」です。(食べるのに必死で、写真のセンスがないことをお許しください。)金鱗湖と由布院駅近くにあるレストランです。こちらでいただく「豊後牛まぶし」はコスパも良く、絶品です。
豊後牛は肉汁たっぷりで、炊き立てのご飯によく合う!初めの1杯はそのまま食べて、2杯目は薬味を入れて、3杯目は出汁を入れてお茶漬けにして頂きます。味変して楽しめるのが嬉しいです。また、ご飯はおこげができていてそのパリッとした食感も楽しめます。
さらに、豊後牛まぶしは前菜のセットですが、この前菜が種類・ボリュームとも十分過ぎるほどあって大満足でした。
しかし、大人気店であるため、オープン時間前から並んでいる人がいます。訪れる際は、早めの時間がおすすめです。
別府も湯布院も、食事はどちらも地元の食材を使ったここでしかいただけない絶品料理があります。
街並み
別府 遊び場の多い歓楽街
JR別府駅周辺には温泉ホテルや百貨店などが立ち並ぶ大分県第二の都市で、毎年800万人超の観光客が訪れる観光都市です。
駅前には手湯があり、歩いていると足湯も多く見られ、さすが温泉地といえます。
しかし、大きな都市というだけあって、街中は歓楽街という印象です。友達同士で繁華街で飲みたい場合や、男性同士ではっちゃけたい!という場合は街の楽しい雰囲気にマッチすると思います。
ただ、静かに温泉地でリラックスしたいというコンセプトの場合は、街歩きではなく旅館で過ごすというのがポイントになってくると思います。
湯布院 静かな温泉街
湯布院のスタートは「由布院駅舎」から。
1990年に大分県出身の磯崎新氏が設計した木造駅舎で、街の景観を配慮して街の雰囲気に溶け込むような駅舎です。
駅舎を出ると、可愛らしいお土産屋さんや飲食店があり、街歩きが楽しめます。夕方に訪れた時は、赤く光る提灯が綺麗でした。グループでも街歩きは楽しいですが、夫婦や家族で落ち着いた雰囲気を味わうのが私のおすすめです。「大人のしっぽり旅」をしたいときは、湯布院を選んでいます。
忙しい日常を忘れてゆっくり静かに過ごしたいのであれば、湯布院をおすすめします。
友達と繁華街に繰り出したいという場合は、ナイトライフの楽しめる別府がおすすめです。
湯布院・別府 どっちがいいの?結果発表!
それでは、「別府」・「湯布院」のどちらが良いか?の結果発表です。どちらも訪れたら満足できる温泉地ではありますが、向いているタイプというのがあると思います。
別府が向いているタイプ
- 歓楽街で遊びたい
- ナイトライフを楽しみたい
- 友達・子供とわいわい旅をしたい
竹瓦温泉の砂湯は是非一度は試していただきたいオススメの温泉です。また、地獄巡りも別府ならでは景色を楽しめるので、訪れたい場所です。
湯布院が向いているタイプ
- 自然の中でリラックスしたい
- 夜はホテル・旅館で静かに過ごしたい
- しっぽり大人旅がしたい
湯布院は別府に比べると小規模で落ち着いた、静かな街です。街の景観が美しく、辻馬車での観光は忙しい日々を忘れて非日常を感じられそう。
ということで、完全に私見ではありますが、私は女子旅や家族で楽しみたいときは別府、東京で疲れた心と体を静かに癒したいときは湯布院、に旅行をしています。
最後に、別府・湯布院のおすすめホテル・旅館をご紹介します。
別府のおすすめ旅館3選
別府のおすすめ旅館をご紹介します。①しっぽり温泉旅、②大人な贅沢旅、③家族やグループで楽しむ旅の順に旅館をピックアップしています。
ホテル白菊
山荘 神和苑
杉乃井ホテル
湯布院 おすすめ旅館3選
湯布院は広々としたこだわりの宿が多いですが、その中でも落ち着いて静かに過ごせる宿を3つほどピックアップしました。
(別府のお勧め旅館はこちらをクリックしてください。)
亀の井別荘
由布院 玉の湯
朝霧のみえる宿 ゆふいん花由
【番外編】温泉プリン
私はプリンが大好きなので、最後にプリンについて紹介させてください。温泉や観光で疲れた体に甘い物は欠かせないと思っています。
別府 地獄蒸し焼きプリン
観光名所の紹介で少し触れましたが、別府の海地獄で販売されている「地獄蒸焼プリン」は私のおすすめです。
こちらのプリンは、温泉の蒸気を利用して蒸されたプリンです。
地獄蒸焼プリンはカラメルソースがほろ苦くて、濃厚な味です。観光疲れの体にもぴったりの地獄の中の小さな幸せです。シンプルな美味しさであり、全国にファンも多いプリンだそう。
なお、海地獄には地獄茹での温泉卵も売られています。地獄は8箇所ありますが、地獄茹での卵を購入できるのは海地獄だけです。
湯布院 Milch プリン
湯布院も別府に負けじと美味しいプリンがあります。由布院の街を歩いていると、プリンを売っているスイーツ店がいくつもありました。
そんな中から私が選んだのは、「由布院Milch(ミルヒ)」です。こちらのスイーツは由布院産の牛乳を使って作られており、とろっとろのクリームのようなプリンです。
このプリンは飲み物なのかもしれないと思うほど、とろっとろです。柔らかくリッチな味が好きな方におすすめです。なお、お店の前には行列もできており、人気のあるスイーツ店です。
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